響け♪募金箱シンフォニー♪ -後編-■アースダンボールメルマガVOL157■2023年4月号-2

~ 前号までのあらすじ ~ 俺は鈴成駆(すずなりかける)28歳、サラリーマン。 宝くじで5000万円当てて喜びに浸るも、 祝いのつもりで派手に飲んでなんもかんもわからなくなった挙句、 その当り券を海外移植手術を待つ少女の為の募金箱に入れてしまった。 そのショックを心のどこかで引きずっていた俺はその半年後、 "移植手術を待つ少女の募金箱に5000万円の高額当選券。 15歳の少女がいよいよ渡米!!" というニュースを目にしてやっと気持ちを割り切る事が出来た。 (前号の全文はこちらです↓↓) https://www.bestcarton.com/profile/magazin/2023-apr.html (´o`)п(´o`*)п(´o`*)п **************************** それから更に三年が経った。 今でも週末になるとあの場所ではよく募金活動が行われている。 あの場所とは勿論、俺が心からの募金をしたあの場所だ。 移植を待つ人は他にも沢山いるんだよな・・・ その場所で募金活動を見かけた時にはいつも、俺は少しの募金と、 その場所の隣にある公園のベンチに腰掛けて、 募金活動の様子をぼ~っと眺めるのがルーティンになった。 あの子、元気になったかな・・・ ちょうどあの時の事を思い出していた時だった。 募金活動メンバーの一人の女の子がこちらにトコトコと歩いてきた。 『あれ、あの子どっかで見た事・・・あ、あの子は!?』 その子は俺が座ってるベンチの前まで来ると、 『お隣、いいですか?』 『え、ええ、もちろん、どうぞ』 『ちょっと疲れちゃったんで休憩しようと思って』 『そうですか、そうですよね、募金活動大変ですよね』 彼女はニコっと笑って三人掛けベンチの端っこに腰掛けた。 この子、やっぱりあの移植手術で渡米した子だ・・・!! なんでここに居るんだ?しかもなんでこのベンチに? ふと見たその子の横顔は優しい微笑を浮かべ、 額にはうっすら汗が滲んで、その子の今の"頑張り"を物語っていた。 元気に、なったんだな・・・ 『あ、、あの!!』彼女の方を向いて俺がそう言うと同時に、 『あ、、あの!!』彼女もそう言ってこちらを向いた。 『お、お先にどうぞ』俺は彼女に譲った。(び、びっくりした~汗) 『あの、先週もしてくれた方ですよね、募金』 『は、はい。よくわかりましたね、少しで恐縮ですけど』 『募金、ありがとうございました』 『いえいえ、皆さん本当に頑張ってらっしゃる』 『私、募金下さった方のお顔をよく見てるんです』 『そうでしたか、本当に熱心なんですね』 『あなたがこのベンチによくいらっしゃるのも、知ってましたよ』 『はは、ちょっと恥ずかしいな・・・』 『だから、休憩は休憩なんですけど、お礼も言いたくて』 『いえいえそんな。本当にお疲れ様です。募金活動』 『私、救われたんです。この募金活動に』 『・・・救われた?・・・』 『はい、募金のおかげで移植手術が受けられたんです』 『それは良かったですね、本当に(やっぱりこの子が・・・)』 『だから少しでも恩返ししたくてこの募金に参加してるんです』 『ちゃんと恩返ししてるなんて、偉いなあ~、俺なんてもう・・』 『それから、ここに来るのはもう一つ理由があって・・・』 『もう一つの理由?』 『ある人に会いたくて、会えるかもって』 『ある人?』 『はい、5000万円の高額当選券を募金して下さった方に』 『・・・・・』 『この場所なんです、その方が募金して下さったのが』 『そう、でしたか・・・』 『勿論、募金下さった皆様全員に同じ感謝をしています。  でも全員の方に直接お会いして感謝を伝えるのは無理です。  だからその、その方に代表者、的にお礼を言いたいな~、って』 『そう、だったんですね・・・』 『それからこれ、この募金箱、その時の募金箱なんですよ!』 『そこに描いてある絵は、あなたですか?』 『そうなんです!妹が描いてくれたんです。  妹はこのダンボールの募金箱で募金活動に参加してくれて。  その高額当選券、この募金箱に入ってたんです。』 『はい、本当にいい募金箱ですね、想いのこもった』 『この箱凄いんですよ。  仲間内ではすっかり "縁起のいい募金箱" になっちゃって。  皆がこれを使いたい!ってなってダンボール屋さんに量産してもらって。  今では全国の仲間達がこれを使って募金活動を頑張ってるんですよ!  あ、因みに私が持ってるこれがオリジナルです!』 (確かにあの時の俺はこの募金箱だけを見てた気がする・・・  酔っててよく覚えてないけど。いや、酔ってたからこそか) 『だからこの募金箱が私とその人を繋げてくれた気がして。  この募金箱を持ってここに立てば会えるんじゃないかと思って』 『そうでしたか・・・会えると、いいですね』 『はい!』 彼女はにっこり笑ってそう答えた。 『ところで、どうしてその話を僕に・・・?』 『え?ど~して、と言われると、どうして、かな~・・・?  この場所で何度か見かけた方だったので、募金もして下さったし、  代表者、的な・・・!』 『ああ、なるほど・・!』 今度は少し恥ずかしそうに微笑んだ。 あ、この笑顔・・・ この笑顔にぴったりな言葉を、 昔どっかで聞いた事があるような気がする。 なんだったっけ・・・ そうだ、思い出した。 "この笑顔、プライスレス" お金だけじゃ絶対に買えない笑顔だ。 FIN 98-2 (´o`)п(´o`*)п(´o`*)п ****************************     【編集後記】 クラウドファンディングというやり方も生まれ、 募金活動のやり方も移り変わっていくのかもしれません。 ダンボール募金箱もいずれ作られなくなるのかもしれません。 そもそも、しなくて済むのであればそれでもいい募金活動。 でも、どこかで誰かに必要とされている募金活動。 募金活動に対する人の考え方は様々あると思いますが、 ダンボール募金箱がたとえ1箱でも必要とされる限りは、 私達は全力でその1箱を作ります! 最後までお読み下さりありがとうございました。 m(__;)m ライティング兼編集長:メリーゴーランド

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