助けてって言えたなら■アースダンボールメルマガVOL144■2022年10月号

『助けて欲しいなら素直にそう言えばいいじゃん』 『いや、なかなかそう言える人の方が少ないよ』 『人を攻撃するくらいなら助けてって言った方が楽じゃん』 『そうだけどさ、そうなんだけどさ』 『そうなんだけども?なんだよ?』 『助けてって言える人は人を攻撃なんてしないんだよ』 98-2 (´o`)п(´o`)п(´o`)п **************************** 『樹(いつき)、昇進おめでとう、乾杯!』(゜_゜) 『ありがとう、空(そら)、乾杯!』( ・_・) 『普通の居酒屋で悪いけど今日はお祝いさせてくれよ、樹』(゜_゜) 『居酒屋だろうがどこだろうが嬉しいよ、空』( ・_・) 『27歳で課長か。樹、お前ホントすげえよ』(゜_゜) 『いやいや、空だって頑張ってるじゃん』( ・_・) 『同級生として、いや親友として誇らしいよ』(゜_゜) 『ありがとう、空にそういって貰えると嬉しいよ』( ・_・) 『できれば樹と同じ会社で働きたかったな~』(゜_゜) 『俺もだよ、でも空の会社もいい会社じゃん』( ・_・) 『そうだけどさ。そうでもないんだよね』(゜_゜) 『なんだ?どうかしたのか?』( ・_・) 『ああ、うん、最近、ちょっとね』(゜_゜) 『なんだよ、話してみろよ』( ・_・) 『いや、今日は樹の昇進祝いだ。暗い話題はやめとこう』(゜_゜) 『何言ってんだよ。ほら、話してみ』( ・_・) 『まあ・・・実は上司がちょっときついんだ』(゜_゜) 『きつい?どんな風にきついんだ?』( ・_・) 『一言で言うと、攻撃されてる感じ・・・』(゜_゜) 『攻撃?穏やかじゃないな・・・』( ・_・) 『うん、穏やかじゃない。本当に攻撃に感じるんだ』(゜_゜) 『空がそう言うなら大げさじゃないとは思うけど』( ・_・) 『ありがとう、ただ最近それが更に厳しくってな』(゜_゜) 『もう少し具体的に言うとどんな風なんだ?』( ・_・) 『理不尽に攻める、必要以上に怒る、怒鳴る、それから』(゜_゜) 『それから?』( ・_・) 『みんなの前で吊るし上げる・・・とか』(゜_゜) 『なるほど、よくあると言えばよくある感じか』( ・_・) 『俺もさ、それが理性的か感情的かくらいはわかるよ』(゜_゜) 『そうだな、空ならわかるよな、』( ・_・) 『明らかに俺を想って叱ってくれてるんじゃないんだよ』(゜_゜) 『誰にでもそうなのか?空にだけか?』( ・_・) 『その日の機嫌で犠牲者は不特定多数』(゜_゜) 『なるほど、完全に感情むき出しって感じか・・・』( ・_・) 『な、暗いだろ、こんな話やめようぜ』(゜_゜) 『なあ、空・・・怒んないで聞いてくれるか?』( ・_・) 『なんだよ改まって、樹の話なら何でも聞くけど』(゜_゜) 『俺は空の上司の味方じゃない、絶対にない』( ・_・) 『そりゃそうだ。もしそうなら俺はここで泣くぞ』(゜_゜) 『うん、それを前提に聞いてほしいんだ』( ・_・) 『わかった、聞くよ』(゜_゜) 『俺も中間管理職になって少しわかったんだけどな』( ・_・) 『うん』(゜_゜) 『ええと何か、そだ、ちょっとダンボール箱を想像してみ』( ・_・) 『ダンボール箱?』(゜_゜) 『そうそう、ダンボール箱』( ・_・) 『ダンボール箱がどうした?』(゜_゜) 『大きな箱と小さな箱があるとするじゃん』( ・_・) 『うん、』(゜_゜) 『小さい箱の上に大きな箱が乗ってるとするじゃん』( ・_・) 『うん、』(゜_゜) 『それって、どっちが空でどっちが上司?』( ・_・) 『もち、下の小箱が俺で上の大箱が上司だな』(゜_゜) 『だよな。下の小箱は辛いよな。でも・・・』( ・_・) 『でも?』(゜_゜) 『上の大箱も辛いかもしれんのよ』( ・_・) 『はあ?上に乗ってるだけじゃん。苦しいのは下だよ』(゜_゜) 『そうだけどさ、よく見ると上の箱って不安定じゃん』( ・_・) 『不安定?』(゜_゜) 『中間管理職ってそんなにどっしりした場所じゃないんだ』( ・_・) 『上から色々、下からも色々、みたいな感じ?』(゜_゜) 『そう、例えばだけどそんな感じ』( ・_・) 『だったら降りればいいじゃん』(゜_゜) 『そう簡単には降りられないのも不安定要因の一つさ』( ・_・) 『そんなこと言われてもな~・・・』(゜_゜) 『俺、そんな人を見る度に思う事があるんだ』( ・_・) 『うん、どんな?』(゜_゜) 『助けを必要としてる人達なんじゃないかってな』( ・_・) 『助け!?攻撃されてるのは俺だぜ!?』(゜_゜) 『怒って怒鳴ってが自分の本意じゃない場合も多いんだよ』( ・_・) 『自分の本意じゃない?』(゜_゜) 『自分の本意じゃなく人を傷つけるのは耐え難いだろ?』( ・_・) 『だから、逆に助けが必要な立場じゃないかってこと?』(゜_゜) 『すごく粗い言い方だけど、そう』( ・_・) 『助けて欲しいなら素直にそう言えばいいじゃん』(゜_゜) 『いや、なかなかそう言える人の方が少ないよ』( ・_・) 『人を攻撃するくらいなら助けてって言った方が楽じゃん』(゜_゜) 『そうだけどさ、そうなんだけどさ』( ・_・) 『そうなんだけども?なんだよ?』(゜_゜) 『助けてって言える人は人を攻撃なんてしないんだよ』( ・_・) 『言える人は・・・攻撃しない・・・?』(゜_゜) 『言えないから、下の箱を責めるわけさ』( ・_・) 『下の箱って、例えば部下や後輩にか?』(゜_゜) 『お前がこんなに小さいから不安定なんだ、とか』( ・_・) 『お前の責任でもっとこの場所を安定させろ、みたいな?』(゜_゜) 『そう、助けてって言えない人ほど理不尽な事をいうもんだ』( ・_・) 『助けてって言えないから理不尽な事をいう・・・か』(゜_゜) 『俺から見るとそういう人ほど助けを必要としてると思う』( ・_・) 『そういう人ほど・・・助けを・・・』(゜_゜) 『しかもそんな人ほど自分は助けが必要だと認識してない』( ・_・) 『なんか、厄介ですなあ、樹』(゜_゜) 『ああ、厄介なんですよ、空』( ・_・) 『・・・・・・』(゜_゜) 『・・・・・・』( ・_・) 『理不尽と気づかずに他人をコントロールしようとするなんてな』(゜_゜) 『中間管理職ってそういう人も意外と多い気がするよ』( ・_・) 『お前も、そうなのか?樹』(゜_゜) 『ああ、俺もそうかもしれん』( ・_・) 『俺もいつかそういう経験すんのかな』(゜_゜) 『するかもしれんし、しないかもしれん、』( ・_・) 『なあ樹、俺、今一個だけ気づいたわ』(゜_゜) 『んん?』( ・_・) 『ダンボール箱には無理だけど、俺達は行動を選べる』(゜_゜) 『だな、それいいね。じゃあ上司になんか言うのか?』( ・_・) 『わからん、でもちょっと上司への見方が変わった、今』(゜_゜) 『それはいい風にか?』( ・_・) 『わからん、でも悪くはない感じだよ』(゜_゜) 『そりゃよかった』( ・_・) 『ところで樹・・・』(゜_゜) 『んん?』( ・_・) 『なんでダンボール箱で説明したんだ?』(゜_゜) 『んんん~、わかんね!なんか浮かんだ』( ・_・) 『なんだそりゃ、でも想像はしやすかったかな』(゜_゜) 『ならまあいいじゃん、さ、飲もうぜ!』( ・_・) 『おお、じゃあ改めて乾杯!!』(゜_゜) FIN ━━━━━━━━━━━━━━━     【編集後記】 一般社員には一般社員の、 管理職には管理職の、 そして経営者や事業主にも、 それぞれの喜びや悲しみや孤独があります。 でも私達は、立場が違う人のそれを、 自分が思うほど理解できていないのかもしれません。 でもわからないまでもわかろうとするだけでも、 互いがより良い関係になる場合も多いと思います。 でもどうすればそうなれるのでしょう? 私はその答えを持っていません。 ただ私達の造るダンボール箱が、 千人に一人、一万人に一人でもそのお役に立てるのなら、 今日もダンボール箱を作って良かったなと思えます。 最後までお読み下さりありがとうございました。 m(__;)m ライティング兼編集長:メリーゴーランド

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